巷で少々話題になっているようです。
西原理恵子さんのお嬢さんが自身の過去に起きたことをnoteに綴っておられるのですが、
内容がもうほとんど虐待で、「ひどい」と。
当然の反応ですが「お母さんの本はもう読みません」といったコメントが多く寄せられています。
そんな中、お嬢さんのひよさんは「読者は一読者に過ぎません」と中立の立場で語っておられます。
すごく、オトナな対応だなあと思います。
わたしだったら、世界中が毒母を憎めばいいと思ってしまいそうだし、実際そう思っていたし、なんなら今でも大人気なく頭の片隅でそれを望んでる。
たぶんもう、彼女の中でお母さんと自分が別の個体になり始めているのでしょう。
わたしは西原理恵子さんの著書が好きだし、今でも漫画を読んでいる。
ひよさんのブログを読んでサイバラさんが毒母だとわかっても、たぶん読み続けてしまうと思う。
毒親とは読んで字の如く、子供にとって毒のある存在なわけで、社会にとって毒のある存在とは限りません。
いや、その子どもが大きくなって社会にうまく適応できなくなったりするので結局は社会に対しても毒なんですけど、今の世の中はそんなことまで見通してませんよね。
だから、いくらサバイバーの子供たちが親の猛毒ぶりを訴えても「でも育ててくれたでしょう」とか「いいところだってあるじゃない」と、さも公平であるかのような意見でお茶を濁すのみ。
そして結局、サイバラさんの本は売れ続けるわけです。
どんなにひよさんのブログが支持されても、どんなにサイバラさんを批判する声が集まっても、本が売れ続けている限りサイバラさんには何のダメージもないと思います。
毒母はたったひとりで立つことは出来ないけれど、ひとりでも味方がいると百人力のように振る舞うのです。
「ほら!わたしには味方がいる!だからわたしは間違ってない!」
まるで虎の威を借る狐ですが、本当にそうなんだから始末が悪い。
毒親とはね、戦わない方がいいですよ。ひよさんも戦う気はないんじゃないかな。
とにかく事実を伝えたいだけ。説教とか和解とか、そんなのも求めてない。
今までずっと押し殺していた事実を公表して自由になりたいだけじゃないかな。
子供の頃は脅されていて公表できなかった家庭内の出来事を、ネットを通して発信しているサバイバーが多くいます。
そしてやっぱり、「親も辛かったんだよ」「でもここまで育ててくれたでしょう」と、見てもいないくせに必死に擁護するコメントがずらずらと続きます。
申し訳ないけど、それを読んで「ああそうだな、親は間違ってないな。自分が未熟だったんだな」なんて思うサバイバーはほとんどいません。他人のコメントで改心できるならそもそもネットに上げる前に解決してます。
物事は文字で綴れるほど浅くない。
文字を打つだけで吐き気をもよおすような出来事が、背後には山ほどあるんです。
矛盾や理不尽を感じつつも、それを表に出してはいけないと暴力的な言葉で脅されてきたため口に出せず、耐えて耐え抜く20年間。
成人してわずかな自由を手に入れた時、押さえつけていたものが溢れ出る。
これが今のネット界隈で見られる現象なのではないかと思うのです。
昔は、虐待の結果多重人格になりましたとか重度の精神障害を負った人しか手記にしてはいけないような雰囲気がありましたが今は違う。
どんな人も発信していい。
一見明るく見えるあの人も、今は満ち足りた生活をしているこの人も、子供の頃に親から毒を受けていた。だったら自分も発信したい。
辛かったことを辛かったと言いたい。
サイバラさんの著書の中で「うちの子たちは親に何をバラされても全然へっちゃら」みたいなことを書かれていましたが、実際は違った。
平気じゃないし色々被害にも遭っていたけれど言えなかっただけだった。
いや、もしかしたら言っても聞く耳を持ってくれなかったのかもしれない。
そこには、夫がアル中で暴れてる中で仕事をしていて生きるだけで精一杯だったという事情もあるのだろうけれど、それでもやっぱり言ってはいけない言葉や態度はある。
ひよさんは当時の虐待そのものにも憤りや不快感を抱いているのかもしれないけれど、
もしかすると、そんな過去を思い出しても謝ることも反省することもない現在の母親にも腹が立っているのかもしれない。
うちの毒母も同じで、過去に自分や言ったりやったりしたことについて何とも思ってない。
誰かに指摘されても、それが間違いだったとは死んでも認めない。
自分の非を認めないことで親の権威を保てると信じて疑わないからだ。
なんとなくサイバラさんと自分の毒母を重ねて見てしまったけれど、実際のところは違うのかもしれない。
ひよさんはもっと大人で自立した考えを持っているかもしれないし、周囲が思うより関係は良いかもしれない。
本当のところはわからないけれど、ひよさんには幸せになってほしいなと、彼女のブログを読んでそう感じました。
感謝日記
お世話になっている方へプレゼントができた。
ゆっくり温泉に入れた。
仕事が充実していた。