30日間チャレンジブログ

40代主婦が綴る小話。

偏見

子どものころから宗教をやっていたので、どちらかと言えば偏見を受けていた側の人間だと思います。でも正直あんまり実感はありません。

小学生の頃には「死ね」と書かれた手紙が家に届くとか、女子グループからハブられるとか、そういう軽いイジメらしきものを受けていたような気もするんですが、それもあまり記憶が定かではありません。わたしは信念をしっかり持っていた上に、それを自分の言葉で発言するタイプだったので、「これ以上コイツに関わると呪われる」とか思われていたんじゃないかな。一定の距離は置かれていたかも。

個人的に、宗教を持っているゆえに起こるイジメより、理由もなくターゲットにされるイジメのほうが遥かに辛いと思います。手の打ちようがありませんものね。
また、宗教ゆえに起こる偏見より、人種や性差への偏見のほうがきっと厳しい。
宗教は自分で選択できますが、そのほかは選べませんから。

 

クラスの上位カーストからは「あの子、宗教やってるんでしょ?」みたいなことを言われていた気もするんですけど、そもそも陰キャのわたしはそういう上位の方々と仲良くなれるタイプではなかったので、とくに支障はありませんでした。
アニメや漫画好きの友達と一緒にいることが多かったし、そういう子たちから「あの世ってあるの?悪魔っているの?降霊術できる?」と質問を受けることのほうが多かった気もします。ちなみにそんな術は使えません。

 

2ちゃんねるで「巫女だけど何か質問ある?」というスレでみんなからの質問に答えている方がいましたが、今にして思えばあんな感じの立ち位置でした。「宗教やってるけど何か質問ある?」みたいなノリで生きてましたね。

 

「勧誘されたら困るからあの子とは遊んじゃダメ」というお宅もあった気もしますがあまり覚えていません。むしろ距離を置かれて好都合でした。うちにはタチの悪いアル中がいて夜中に表で叫んだりしていましたから、そのへんのことを聞かれて説明するほうが屈辱です。だったらヒソヒソと噂話してくれてた方がマシ。

 

わたしが宗教を持っていてもお構いなく仲良くしてくれた子たちは家庭に問題を抱えているケースが多かったので、こちらの事情にも踏み込んでくることはなく居心地の良い関係を保てていたと思います。そういうものですよね。

 

わたしが偏見を受けてもあまりダメージを受けずに過ごせたのは、たぶん家庭環境が悪かったからだと思います。
家の中の劣悪な雰囲気に比べれば外の世界の偏見なんて可愛いものだったし、クラスの子からの無視や悪口なんて毒母の発する暴言の100分の1程度のパワーしかありませんでした。

むしろ毒母の偏見の方がひどくって、「男の子から好かれようとしてそんな髪型にしてるんでしょ!知ってるんだから!」とか、よく言われてました。
オシャレをする=モテたい願望の表れだと信じきっていたようですが、それこそ偏見ですよね。
音楽にしても、毒母はロック=反抗的だと思い込んでいたため聞かせてもらえませんでした。これは偏見よりステレオタイプに近いのかもしれませんが、物事の本質を見極めるために宗教をやっているのに世間の風潮に流されてロック全般を否定するのはやっぱりおかしい。

ちょっと派手な格好で道を歩く女性を見ては「あんなのは水商売をやってるに決まってる」と車の中で悪態をつき、誰かが海外旅行へ出かけたと言えば「よっぽど暇なんだね。」と嫌味を言い、とにかく物事の視点が偏りすぎてる。

宗教の教えでは「人を見かけで判断しない」とか「他人の事情など分からないのだから決めつけはよくない」などと教えられているのに、いったい何を聞きに行っているのか。

 

教えと実践が結びつかない環境で生活するのは大変居心地が悪いもので、それなら多少の偏見を受けても家庭の外にいるほうがよっぽど気持ちが安らかでした。

ちなみに、宗教組織の中には自分の中から偏見をなくそうと真剣に学んでいる信者さんもたくさんいます。そういう方々は本当に広い心で人を受け入れようとしているので、ゲイの方から「アナタなら聞いてもらえそう」とカミングアウトされたりしているようです。本来そうあるべきですし、わたしもそうありたい。

でも、毒母のようにうわべだけを繕って善人ぶっている信者もかなりいます。
そういう人たちは偏見の塊です。性差別もすごいです。
類友というか似た者同士というか、毒母はそういう人たちと仲良くしています。なのでちっとも成長しないし自分の矛盾にも気づかないんだと思います。

 

わたしが子どもの頃と比べると、今はかなり偏見が少なくなってきたと思います。
全ての偏見を取り除くことは難しいだろうけど、まずは自分の中から偏見を除きたい。

少なからずそれを受けてきた経験を持っているからこそ、強くそう思えるのかもしれません。

 

感謝日記
送ったお祝いが無事届いて喜ばれた。
釣ったばかりの新鮮なお魚をいただいた。
仕事で嬉しい知らせが届いた。