30日間チャレンジブログ

40代主婦が綴る小話。

豚バラブロックのカレーライス

気温が上がったせいか、無性にカレーが食べたくなりました。

どれも普通のカレーじゃなく、豚バラブロックを使ったこってり系。

もう何年も前に亡くなった料理の師匠のレシピです。

 

知り合ったのは彼が60代のとき。同じ宗教の信者さんで、ご夫婦で近所に引っ越してきたのがきっかけです。

ものすごい多趣味で、好奇心旺盛を自負するわたしの3倍くらい好奇心が強いやんちゃなお方でした。

高校時代は甲子園出場経験もある野球少年、その後はハワイアンバンドを組んでウクレレを弾いたりパティシエと仲良くなってスイーツづくりを教えてもらったりしたそうです。

どういう流れかアルトオペラ歌手と知り合いで、こんな地方にわざわざ呼びつけてコンサートを開催したりしてました。

人当たりが良くてすぐ誰とでも仲良くなるタイプなのですが、その反面あまり深く考えずにホイホイ返事をしたり安請け合いする人で、そのオペラ歌手も書面も作らず適当な口約束でコンサートを取り付けてしまったためそれに関わった人たちがもう大変でした。わたしもその一人だったんですがね。

さんざん振り回されてこっちはクタクタ。でも師匠はケロッとしたもんで、「なんかプライドの高い人だったね~ご苦労さん。」みたいなノリでした。

「あの人ね、笠井さんのこと動きがいいって気に入ってたよ。またコンサート開くときは頼むね。」と、実に軽~く頼まれたので丁重にお断りしたのもいい思い出です。

 

手先も器用で、ある日お邪魔するとツル状の枝で編んだ素敵なカゴにフルーツが盛られています。

「これいいですねぇ。」と感心していたら「ぼくが作ったんだよ。庭のアケビのツルを編んでみたんだ~。」と、これまた軽いノリで言われました。そんな簡単にできるものなの?

 

そんなお気楽でやんちゃな師匠に教わった思い出のカレー。

コツがいくつかありまして、まずは豚バラブロックの茹で方。

 

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鍋に水を入れ、ネギの青いところとショウガを入れてスタンバイ。

温度が上がらないよう氷を入れておくとベターです。

これに、4cm角に切ってフライパンで焼き色をつけた豚バラブロックを投入。

※あくまでに表面に焼き色をつけるだけで、中まで火が通らないよう注意してくださいね。

 

水から弱火~中弱火くらいでゆっくりと茹でること2時間。

途中でアクを取ったりキッチンペーパーで落し蓋をしたりして、とにかく弱火で茹で続けます。

 

茹で時間が残り30分くらいになったら、あめ色タマネギを作り始めます。

スライスしたタマネギをレンジで5~8分くらいチンした後に炒めると時短になります。

 

あとは、いつものカレーの作り方と同様、玉ねぎとニンジンを鍋で炒めて水を入れ、沸騰したらアク取り。このとき、豚肉のゆで汁をいくらか加えるとコクと旨味が出ます。

アク取りが終わって弱火でコトコト茹でる段階で豚バラを足します。

ニンジンにも火が通ったら、カレールゥを鍋に入れます。

ここで次のコツ。

カレールゥは別のフライパンで炒めておき、少しだけ焦げ目をつけます。

コクを出したい方はバターで炒めるといいですよ。ツヤも出て高見えします笑。

ここでウスターソースなどを足す方もいます。そのへんはお好みで。

ルゥを炒めるというひと手間を加えると、黒光りした高級感のあるカレーライスになります。

本当は出来上がりをお見せしたいのですけど、食べるのに夢中で取り忘れましたw

 

豚バラ肉は安いもので構いません。水から茹でて、決して強火にしないのが柔らかく茹でるコツだそうです。

2時間かけるのはなかなか大変ですが、お箸でホロホロと崩れるくらい柔らかくなりますのでやってみる価値あり。

我が家にはないので分かりませんが、圧力鍋でも柔らかくできそうですよね。

 

初めて師匠のこのカレーを食べた時は本当に感動でした。

今にして思えば秘伝のレシピだったのかもしれません。すべてのコツを聞き出すまでにずいぶん時間がかかりました。

最初は「玉ねぎをじっくり20分炒めるんだよ。」としか教えてくれず、それをやってもお肉は硬いままだしルゥも茶色い。

何度も何度も食い下がり、いちばん最後に教えてくれたのがルゥの炒め方でした。

おそらく、師匠も試行錯誤の末に辿り着いたレシピで、そう簡単に教えたくはなかったんでしょうね。

他にもパスタやトンカツ、イチゴのタルトやトリュフなどたくさんの手料理を振る舞ってくれました。

 

いつも少年の心を持っていて、肝心な場面で適当なためハラハラさせられることも多かったけど、共に過ごした数年間は本当に楽しかった。

加齢に伴うご病気でこの世を去ってからもう10年近く経とうとしています。

奥様はご健在ですが、やはり年のため「あのカレーはもう、こってりしすぎて食べられないわねぇ。」と仰っていました。

大丈夫、わたしがしっかり引き継いでますからね。ご安心ください。

 

感謝日記
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