30日間チャレンジブログ

40代主婦が綴る小話。

矢沢あいさんの漫画

漫画家の矢沢あいさんの作品が大大大好きです。

天使なんかじゃない」から読み始めたので、それ以前の作品はよく分からないのですが、天ない以降の「ご近所物語」「パラダイスキス」「NANA」は単行本も持っていました。あ、「下弦の月」だけ未読だわ。

 

天使なんかじゃない」の翠ちゃんにものすごく憧れていて、服とか髪型とか真似してた時期もありましたが、ぽっちゃり体形のわたしは何を真似てもイマイチで、軽く心が折れました。

 

矢沢作品の特徴のひとつに「男女の友情は存在する」というのがあります。
どんなに仲が良くても恋愛関係に発展せず、一線を引いて関係を保つキャラがいるんですよね。
わたしも男女の友情アリ派なので、読んでいて心地よかったのかもしれません。

実際のところ、あるかないかという問題ではなく、「自分が友達として異性と付き合えるタイプかどうか」だとわたしは思っています。男女共にそういうタイプであればそこに友情は成立するでしょうし、逆に「男と女がいるところには必ず恋が生まれる」と考えるタイプの人にとって、異性間の友情を育むのは難しいかもしれません。

 

わたしのいた環境は「男女の友情否定派」が大多数だったので、そんな中で翠ちゃんと文太の友達関係を読んだときは「やっぱりアリじゃん」と、オアシスに辿り着いたようなホッとした気持ちになりました。

 

翠ちゃんはかなり活発に遊ぶ陽キャなので、友達のバンドのライブに行ったり夜中まで公園でお喋りしたりとアクティブに過ごします。当時毒母に24時間監視されていたわたしにとってそんな生活は夢のまた夢。ライブの録音テープの貸し借りとか、やってみたかった!

 

矢沢先生はファッションも大好きで服飾専門学校に通っていたこともあるほど。なので、登場人物たちもとってもオシャレ。翠ちゃんも高校生ですが制服をおしゃれにカスタマイズして着こなしています。ブレザーの高校はこういう部分で遊べるのがいいですよね。わたしはセーラーだったので普通に着るしかありませんでした。ちょっと残念。

 

思うに、制服をオシャレに気崩してきた人たちって、大人になっても仕事の制服を上手に着こなしている気がします。わたしの職場はジャンパーやポロシャツが支給されるんですが、パーカーやカットソーと上手に合わせたり裾をブラウジングして可愛く着こなす人が一定数います。おそらく彼女たちは高校時代にも制服にアレンジを効かせて楽しんでいたに違いない。

 

ご近所物語」と「パラダイスキス」は服飾学科がある高校が舞台で、ストーリーももちろん面白いのですが絵柄がもうどこを取ってもオシャレ。ここまでくるとハードルが高すぎて、わたしのような素人にはもう真似できません。髪をピンクに染めたり18世紀のパリみたいなドレスで街を歩いたり、さすがに勇気がない。

 

他の単行本はもう売ってしまったのですが、「NANA」だけは今も全巻持っています。矢沢先生ご自身もインタビューで語っておられますが、全体的に少しリアルな恋愛なんですよね。主人公が彼氏をコロコロ変えたり、いちばん好きな人がハッキリしない中でできちゃった結婚をしたり。でも、これが現実だと思います。たった20数年の経験で生涯の愛を誓えるほど強く愛せる人を見つけるなんて、そうそう出来ることではないですよね。

連載していた当時はわたしもまだ若かったので、キャラクターが何を考えているのか、どうしてこんなことを言うのか、よく分からない部分も実はけっこうありました。

ナナとヤスの関係とか、本人たちはバンド仲間だと言うわりに冗談めいて「ベタ惚れ」と言ってみたり。どこまで本気でどこまでが仲間意識なのか昔はチンプンカンプンだったんですけど、今になって読み直すと「あー、そういうことか」ってやっと理解できたりします。いや、単にわたしの恋愛指数が低すぎるだけかもしれませんが、こういう男女の駆け引きや複雑な想いを描けるなんて、さすが矢沢先生だなあと感心します。

 

新しい恋人がいても別れた彼女と出会えば流されそうになってしまったり、
妹のようだと言っておきながら抱いてしまったり、
彼女でもなければ友人でもない微妙な立場を敢えて選んで、自由と不自由と切なさを行き来してみたり。

 

作品が休載になってしまったため、それぞれがどんな結末を迎えるのかはまだ謎ですが、なんとなく、すべてがスッキリ腑に落ちることはないかもな、と予想しています。

だって、現実の恋愛もそんなもんじゃないですか?言葉にできなくてあやふやな関係のまま終わってしまった恋のようなものって、きっと誰の中にもあると思います。

その時は目に見える形でケリをつけてスッキリさせたいものですが、時間が経過して「あれはあれで良かったのかもな」と、ちょっと切ないノスタルジックな思い出として残っていくのも悪くない。
もしかしたら、そんな展開もあり得るかな…。

NANAの再開を気長に待ち望んでいるファンはきっと多いはず。

矢沢先生、しっかり体調を整えて戻ってきてくださいね。

 

感謝日記
お風呂にゆっくり浸かってリラックスできた。
釣りたてのお魚をいただいた。
頂き物の旅行のお土産がおいしかった。