30日間チャレンジブログ

40代主婦が綴る小話。

職人の熱意

小物作りの布を買いたいと母から頼まれました。

もう何年もお裁縫などやっていないわたし。急に言われてもいい店が思い浮かびません。

「◯◯堂は?」「もう行ったけどイメージ通りの布がなかった」

必死で記憶をたぐり寄せ、そういえば10年ほど前に小さな雑貨屋さんでフランスのハギレを購入したのを思い出します。

まだあるのかしらと、好奇心も相まって検索したところ今も同じ場所にお店があることが分かり、急に行ってみたくなりました。

 

以前に購入したハギレで作ったポットマットも持参。こういうテイストの布がないか、実際に見せて聞いた方が話が早そうです。

 

場所も規模も変わらず、お店はそこにありました。

小さな木製のドアを開けると、一面に布雑貨やファブリックが並んでいます。

「いらっしゃいませ」とにこやかに近づいてきたオーナーにさっそくポットマットを見せます。

「こういう感じの布が欲しくて…」

「あら?この柄は見覚えがあります。うちでお買い上げいただいたんじゃないかしら?」

「そうですそうです!」

これには驚きました。店内にはフランスやUSAデザインの色とりどりの布がひしめき合っているのです。これを把握するだけでも大変なことなのに、10年以上前のものまで覚えているなんて。

「いつも吟味して、本当に気に入った布しか仕入れていませんから」

穏やかに微笑みながら、でもしっかりとした口調でオーナーは語ってくれました。

大手の生地屋との仕入れの違いやデザインの選び方、プリントされる工場など知識を惜しげもなくシェアしてくれる心の広さにまた感動。

 

本当にこの店を愛しているんだなと伝わりました。

仕事にも誇りを持って取り組んでいる様子が窺えます。店の規模は変わりませんが、町のカルチャースクールで講師をしたり全国の百貨店に期間限定で出店したり、オンラインクラスも大盛況なんだとか。確実に事業が大きくなっています。

 

信念を持って続ける成果が出ているんだろうな。

 

儲けやコスパを第一にせず、ひたすら自分の好きを追求する姿勢に胸を打たれました。

素敵な布もたくさん手に入りましたが、それ以上に素晴らしいものを受け取った気がします。

 

久しぶりに、刺激的な出会いでした。感謝ですね。

 

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