高校生の頃、生花を少し習っていました。
静かな空間で背筋をシャンと伸ばしながら剣山にゆっくりと花を挿す作業が心地良かったのを覚えています。
どの業界にも月刊誌というのはあるもので、わたしの習っていた流派からも毎月出ていました。
初級から上級までさまざまなスタイルの生花の写真が多く掲載され、先生は自分好みの写真を切り取ってファイルに保存していたのをよく覚えています。
花を長持ちさせる方法などの豆知識も豊富で、けっこう読み応えのある雑誌でした。
生花とはあまり関係なさそうな方のコラムが載っていることもあり、たしかわたしはそこで江角マキコさんの離婚を知ったんじゃなかったかな。
とまあ、思いがけない情報を得られる楽しさで愛読していたこの雑誌に、ある時からショートストーリーが連載されるようになりました。
見開き2ページで終わってしまう1話完結の短いお話が毎月掲載されます。作家さんも色々で、聞いたことのない名前の方がほとんど。でも内容がすごく面白い。
結婚式をボイコットした花嫁がウエディングドレスのまま見知らぬ男の家に転がり込む話だとか、高校生の自分より少し大人の世界のストーリーがとても魅力的でした。
たった2ページですから内容はやや軽め。重苦しくなりすぎないあのノリがサクサク読めて好きだったんだと思います。
今は紙媒体よりネットで物を読む時代です。
どちらかと言えば暮らしのハウツーやノウハウを得ることが多いけれど、たまにブログでショートストーリーを見つけるとつい読んでしまいます。
仕事帰りにカフェで寄り道するかのようなプチ現実逃避をしている感覚がワクワクを誘うのかもしれないな。
それにしても、ブログは才能ある方々の宝庫ですね。素敵なお話が本当にたくさん。
読ませていただけて感謝です。
感謝日記
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