このくらいの年になると、好きなものには少々頑固になります。
たとえ流行遅れでも、好きなものは好きといった感じです。
コスメなんかもそのひとつで、最新のメーカーやアイテムを目の端で捉えつつも、やっぱり長年愛用しているものに手が伸びてしまいます。
ここ数年はアルコール消毒液を使う頻度が増えたせいで手がガサガサになりやすく、年中ハンドクリームを持ち歩くようになりました。それまでは乾燥しやすい冬の間だけ仕事用のポーチに入れていたのですが、今となっては通年アイテム。
もうずいぶん前からヴェレダのクリームがお気に入りでして、職場にもそれを持参しています。
ある日の仕事中、いつものように除菌をしたあと、ヴェレダのクリームを手に塗っていたら、若い社員さんがすすーっと近づいてきました。
「すごいいい香り!なんですか、これ?」
「ヴェレダのハンドクリームよ。そんなに匂う?自分じゃ慣れちゃってよくわからないな。」
「めっちゃいい香りですよー!てか、え?名前なんでしたっけ?」
「ヴェレダ。確かドイツのメーカーだったかな。」
「初めて聞きました!海外で買ったんですか?」
「ううん、ネットで。でも駅前のビルにもお店があるはずよ。」
彼女はヴェレダを知らなかったようです。たしかに、もうすっかり老舗というか定番化していて、雑誌やインスタでは見かけないかもしれません。
ヴェレダを初めて目にした彼女は大興奮。よほどこの香りが気に入ったようです。
「イソップと全然違いますね!周りと差がついていいかも。わたしも買っちゃおうかなぁ。パクってもいいですか?」
思わず笑ってしまいました。
「どうぞどうぞ。ていうか、そもそもわたしが作ってるわけじゃないし。自由に買えばいいじゃない。」
「いやー、なんていうか、ちょっとみんなと違う物持ってるのっていいじゃないですか。だから、わたしの知らないアイテム持ってる人がいたら真似したいんです。」
そう言いながら嬉しそうに「ヴェレダ」と走り書きでメモする彼女。
その清々しさが可愛らしくていいなと思いました。
わたしの若い頃なんて無駄にプライドが高かったから、似た場面に遭遇してもこんなに堂々とパクるなんてできませんでした。
横目でチラッと盗み見て、同じものを雑誌やお店でじっくり探すという根暗のお手本みたいなことばっかりやってたな。
そして、さも自分で発掘したかのように見せびらかすっていう(笑)。
彼女の堂々とした様が眩しく見えました。遠慮せず思ったことを言えるのって魅力的ですね。
若い人から学べることって、いっぱいあります。
感謝日記
仕事で助けてもらえて感謝
美味しいスパゲッティが作れた
お取り寄せの冷凍餃子が美味しかった