30日間チャレンジブログ

40代主婦が綴る小話。

仕事をするということ

結婚退職する同僚とおしゃべりしていたときのこと。

「笠井さんて結婚してからもずっと働いてたんですか?」

「うん。わたしね、自分のお小遣いは自分で稼ぎたい人なの。」

「ああそれ、わかります。わたしもやっぱり働こうかなー。」

 

結婚の準備と仕事の両立に疲れてしまい、いったん退職する方向で動いている彼女ですが、落ち着いてその後のことを考えるとやっぱり働いたほうがいいのかな、という気持ちにもなるそうです。

「今はもう退職願も出しちゃったんだし、まずは結婚生活を優先したら?落ち着いてから働き口を探せばいいじゃない。」

「そうですね。なんか、頭がいっぱいになっちゃって。」

「それだけ責任持って考えてるってことだよ。脳内お花畑よりいいじゃん。」

「あはは。確かに~。」

 

なんか適当なアドバイスしちゃいましたけど、よかったのかな。

わたしはメインの仕事が個人ピアノ教師でしたから、結婚後にやめるという選択肢は全くありませんでした。自分のやりたいことだったし、個人事業主なので生活との両立がしやすかったというのもあります。

 

というか、単純に仕事をするのが好きなんだろうな。

 

こればっかりはもう個人差だと思います。仕事をしたい人は働くだろうし、家庭に入りたい人は働かないでしょう。

大変なのは、働きたくないのに仕事をしなければならない場合。このゾーンにいる人は常に辛そう。仕方がないですよね、やりたくないことをやってるから。

なもんで、どの職種に就いても不満だらけ。配送センターやファミレスやコンビニやスーパーのレジ、どの仕事も「キツイし大変」としか言いません。

彼らを通して社会を見ると、ブラック企業で溢れかえっているように見えます。

早起きするのも大変だし、仕事に慣れないのも大変だし、人間関係も大変。

そりゃあねぇ、新人が嫌そうに仕事してたら同僚だってイラっとくるでしょうし、それが続けば良好な人間関係は作れないんじゃないかしら。

 

わたしがコールセンターで働いていたとき、友人から「楽しそうだしラクそうだから紹介してほしい。」と頼まれました。
ナメたこと言ってんなーと思ったけど、わざわざ説明するのも面倒なので紹介したんですけどね。

案の定、あっという間に体調を崩してしまいました。

彼女がやっと回復して復帰する頃、わたしはもうブース内のメンバーと仲良くなっており、実に楽しく仕事をしているように映ったようです。

「どうしてみんな、”笠井さん、笠井さん”って頼ってるんですか?」と責めるように言われたけれど、知らんがな。

なんか気づいたら辞めてました。一体何だったんだ。

 

その後、彼女は在宅の仕事を始めました。そりゃ良かったと思っていたら、今度は「メールのやり取りが大変なんです。」とか「締め切りに追われて寝不足なんです。」とブツクサ。

そこで、「あーこの人、そもそも働くことが嫌いなんだな。」と悟ったわけです。

どんなお育ちなのか存じませんが、「働くこと=辛いこと」という刷り込みが出来上がってしまってる。

それじゃあね、何をやっても辛いだろうね。

 

派遣会社に登録していた頃、担当さんは「笠井さんて何やっても楽しそうにしてるよね。」と言っていたんですが、別に自分の中で特別意識していることはありません。

ただ、どうせ働かないといけないなら楽しんだ方が得だな、とは思ってます。

100%楽しさしかない仕事が存在しないのと同様、100%辛い仕事もたぶんあんまりない、はず。

仕事の内容は辛くても社内はいい人多いよな、とか

仕事も会社も嫌いだけど、帰り道の夕日は好きだな、とか

帰りが遅いのは嫌だけど、その代わりデパ地下のお総菜が半額で買えるのはいいな、とか

何かしら面白いことってあると思うんです。

 

早朝のコンビニで働いてたときや警備員やってたときは朝4時台に家を出たりしてましたが、それはそれで興味深いものがありました。

夜職を終えて帰る人とわたしのように出勤する人が行き交う不思議な時間帯で、多くの人が寝ているこんな時間帯に活動してる人もいるんだよなーと、勝手に仲間意識を感じてみたり。

出勤前に24時間営業のファミレスで朝ごはんを食べるのも、非日常感があって好きでした。

 

毎回就業場所が違う営業職に就いていたときも、自分で駅やバス停を調べるのは大変だったけど、その代わり仕事でなければ絶対来ないような無人駅を利用するのは楽しい体験でした。レトロな雰囲気の駅を写真に撮ってサイトに載せたらそれが売れたりね。

通勤のついでに副業が出来るなんて得だなーと思ってました。

 

たぶんわたしにとって、仕事にまつわるすべての体験が「仕事」なんだと思います。

辛いこともあるけれど、それ以上に得られるものが多いんです。

関わるとヤバイ上司を見抜く目も養われますし。

 

でもまあ、別に役職に就いているわけでもないし、部下が何十人にもいるわけじゃないのでこんな呑気なことが言えるのかもしれません。

責任が伴うと仕事への姿勢も変わるでしょうし、楽しいなんて言ってられませんよね。

 

みんな、それぞれ置かれた状況でベストを尽くして生きています。

まずはそこに感謝かな。

 

感謝日記
新しく買ったカフェオレベースが美味しかった。
溜まっていた家事を一気に済ませてスッキリ。
久々にピアノの練習ができた。