30日間チャレンジブログ

40代主婦が綴る小話。

淡々と

10年ほど前、とある女性がわたしたちの宗教に興味を持ってやってきました。

早くに両親を亡くし、上京してがむしゃらに働いて結婚し、その後この町に家族で引っ越してきたそうです。

 

すぐに入信はできないシステムでまずは宗教論や信条の基礎を学ばなければなりません。試験や登録料はかかりませんが、教義に同意する必要があります。同意できずに止める人も結構いまして、そこはまあご自由にといったところ。

 

そんなわけでまずは勉強から始まったのですが、若くて子だくさんなこともあり順調には進みませんでした。

旦那さんの失業で社宅を出なければならなかったり、職がなかなか決まらなかったり。

人様のプライバシーには踏み込みませんが、経済的に苦しいのは家の様子から見て取れ、それが切なかったこともしばしば。

 

その後数年の時を経て入信したのですが、そこからがすごい。一念発起した人の決意の強さというか何と言うか、どんな困難も「絶対に神様が見ていてくれるから」と、動じることなく日々を過ごすのです。

パニックになることも仲間の信者にお金の無心をすることもなく、淡々と講和を聞き静かに学ぶ。

その真摯な姿勢が功を奏し、工場の事務の仕事が決まったかと思えば次は環境の良い広いアパートへ引っ越し。真面目な人柄が買われて家賃も安くしてもらえました。

 

大変な時期を見てきただけに、その変化には目を見張るものがあります。最近はついに車も破格で手に入れていました。

 

一心にひとつのことを信じる気持ちや、ブレない軸を持つ姿勢が環境を良い方へ変えているんじゃないかなと思います。

もちろんこのまま調子良く進むわけではないけれど、彼女なら困難も乗り越えられるはず。

 

ここ2、3年、自分の軸がブレてグラグラしていたわたし。結果、物事が少し良くない方向へ動いてしまいました。

彼女の姿を見ていると身が引き締まります。

もう一度、あのひたむきな姿勢を取り戻したい。

 

そう思わせてくれる彼女に感謝ですね。