押し入れの掃除をしていたら、懐かしいものが出てきました。
5年くらい前にマレーシアのインド人街で買ったチュニックとスカーフ。
ちょっとゴワッとしたコットンで作られています。スカーフは化繊かな。
ボトムは別売りの黒いサルエルパンツ。自分ではこの組み合わせにわりと満足していたのですが、同行してくれた地元の友人は不満顔。
「色が暗すぎるわよ。だいたいね、コットンなんてフォーマルじゃないの。ビーズだってひとつもついてないし、刺繍じゃなくただのプリントでしょう?こんなの普段着よ。全然オシャレじゃないわ。」
いや、ただのお土産だし普段着で構わないんだけど…と反論したいものの、向こうの気迫に押されて何も言えないわたし。
じゃあ一体どういうのがいいのか選んでもらうことにしました。
インド系のブティックに入ると、社交ダンスの衣装を思わせるような煌びやかな民族衣装がたくさん並んでいます。
サリーはもちろん、チュニックとパンツをセットにして作られたパンジャビスーツというものも多数。他にも色々ありましたが忘れてしまいました。
確かにどれも華やかです。ピンクや黄色の生地にゴールドのビーズ刺繍がふんだんにあしらわれているものや、飾りリボンの先端にジャラジャラとアクセサリーがついているものなどなど。
インド人はパッチリとした大きい瞳にクルンとカールしたまつ毛が特徴的で、そんなメリハリのある顔にはこれくらいゴージャスな衣装が必要なのでしょう。でもわたしは薄っぺらさが特徴の純日本人だしな…。
「いいじゃない。着るだけ着てみなさいよ」と勧められ、まあ試すだけならと試着室へ。
「!!!!」
袖を通した瞬間、その着心地の悪さにゾワッと悪寒が走りました。
まず、生地がザラつきのある荒いポリエステル。
これに、刺繍糸やビーズを縫い付けた糸の先端がちょいちょい出ており、着ると肌にチクチク当たるのです。
「わーー無理!ごめん、無理無理!」
HSP気質も相まっているのかもしれませんが、わたしはこういうチクチク素材が本当に苦手です。
日本製でも着れないセーターが幾つもあります。
生地のポリエステルもかなり苦手な肌触り。
結婚式のお色直しのドレスに使われるようなオーガンジーっぽい手触りで、これも苦手。そういえば数十年前の披露宴も正直かなり苦痛だったなぁ…。
苦手×苦手で仕上げられた民族衣装、これはもう諦めるしかありませんでした。
着慣れている地元の友人はわたしの騒ぐ様を不思議そうに眺めていました。彼女は何も感じないそうです。美しく装えていることにテンション上がって着心地なんて気にならないらしい。
ちょっと羨ましくなります。
着心地を重視するのは昔からで、子供の頃に履かされていた冬用のタイツもザワザワして大嫌いでした。どんなに母親に訴えても理解してもらえず泣く泣く履いていましたが、脱ぐまで鳥肌が止まらなかったのを覚えています。
吸湿速乾を重視した素材も実はあまり得意ではありません。ちょっとザラつきがあるあなた感じがどうもダメ。それでも年々改良されて登山などに着ていけるようになりました。
結局いちばん安心できるのはコットン。夏はコットンリネンも着やすくて好きです。
ウール素材もチクチクして苦手だったのですが,最近少しマシになりました。年齢と共に鈍くなってきたのかしら。
久しぶりにこのチュニックを見たら、当時の感触まで思い出してなんだかむず痒くなりました。
あれを平気な顔して着ながら踊れるんですから、インド人はすごい。
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