以前のお話の続きです。
三谷作品が好きで、映画やドラマなどをよく見ていたわたし。
ただ、エッセイは当時まだ読んだことがありませんでした。
そんな折、姑がこう言ったのです。
「朝日新聞に三谷さんのコラムが載っているのだけど、あれを読むと奥さんのことを本当に愛してるんだなぁって伝わってくるのよ。」
へーそうなのか。と、その時は大して興味も湧かずに聞き流していたのですが、
それからしらばく経った後、何気なくフラリと立ち寄った図書館で三谷さんのエッセイ「ありふれた生活」を見かけた時、あのときの姑のセリフを急に思い出しました。
どれ、せっかくだから借りてみようかと家に持ち帰って読んでみたのですが、最初に抱いた感想は
「ん?このふたりはいずれ別れてしまうのでは?」でした。
たしかに奥さんとのやり取りが要所要所で出てきます。会話だったり、行動だったり、時には励ましだったり。
そこには悪意も何もなく、起きた出来事が淡々と綴られているのみなのですが。
なんとなく私の目からは、「別れの予感はあるものの、なんとか頑張って立て直そうとしている」ように見えたんですよね。
がんばってるけど、ちょっと難しそうだなあと思っていたら、数年後におふたりの離婚が報道されていました。
どうして別れを感じたのかはうまく言葉にできません。
それこそHSPの敏感さで感じ取ったのかもしれないし、単に自分の親の離婚ルートを見て育ったせいかもしれません。
前者なのだとしたら、三谷さんは本当にストレートに、包み隠しなくエッセイを書いておられたのだと思います。
わざわざ「うちは離婚の危機です」なんて書くことはしないけれど、でもその背後にある気持ちや心の中のザワザワを抱えながら文字を綴っていたんじゃないかしら。
不安を無理に押し殺したり、見て見ぬふりをして書いた文章だったら、きっとわたしは気づかなかっただろうと思います。
そういう方もいらっしゃいますよね。徹底的に隠して決して表には出さず、水面下でその関係を終わらせ、ずいぶん経ってから「そういえば去年離婚をしまして」などと綴る方。
それはそれですごいプロ意識の高い方なんだと思います。
自分のプライベートと仕事をキッチリ分けておられるのでしょう。
そういう方の文章はさすがに見抜けません。いや、別に裏を探るような気持ちでエッセイを読んでいるわけじゃないんですが、なんていうか、感じ取れないんですよね。
物書きのプロにも、さまざまなタイプがいるということなのかもしれません。
どちらも魅力的だと思います。気持ちに素直な方も、しっかり線引きして感情を表に出さない方も。
わたしはどちらかと言えば何でもかんでもオープンに書きたいタイプなのですが、
昨今はいろいろと気にしなければならないことも多いので、思うようにぶっちゃけられないのが辛いところですね。
その昔、mixiで日記を書いていた頃はそれこそ自由奔放でした。
リアルな友人と繋がらない裏アカを作り、匿名で好き放題書いていたのは楽しかったな。
仕事のグチや面白くなかった出来事はもちろん、ちょっといい感じだった男性との話なんかも書いたりして、ごくわずかなmixi上の友人たちとワイワイ盛り上がっていました。
大御所の林真理子さんあたりはもう怖いもんナシなのか、そういうちょっといいナと思っている男性とのデート話もどんどん書きまくってて清々しいですよね。
というか、かなり遠慮なくデイトしていて非常に羨ましい。まあ、ややこしい関係になってないからしれっと書けるんでしょうけど、それにしてもすごい人数の男性とよくお食事に行かれてらっしゃる。
わたしもねー、コーヒーくらいなら別にいいじゃん派なんですが、いかんせん周囲の目がピリピリしていてそれを許しません。
宗教組織の仲間はもちろんのこと、職場でもけっこう過敏な方が多いです。
かなり前、前職で同じ部署だった派遣の方と偶然再会して仲良く話していたら、マネージャーに「〇〇さんとどういう関係なんですか?ずいぶん親しそうですね。」と詰め寄られて驚きました。その派遣の男性が悪ふざけで「いやぁ実は前に付きあったことがありまして」なんて言うものだから、一気に周囲が「マジで?!」と異様に盛り上がる。
いや違うけどさ、だったらどうなのって話じゃないですか。わたしたちの関係なんて仕事には全く影響ないわけで。
今の職場でも、偶然会った男友達とワイワイお喋りしていたら上司から「今の誰?」と聞かれ、正直に「友達です!」って答えたら「友達?!?!」とめちゃくちゃ驚かれました。人妻に男友達がいちゃイカンのかい。つーか、何て言えば驚かれないんだろう。イトコとか?
そんなこんなで、三谷さんみたいに何でも語りたい反面ブレーキをかけてしまう自分もいる今日この頃です。
感謝日記
着付け道具が役目を無事終えた。今までありがとう。
濃厚接触者の友人が陰性で何より。
キャンプ用のコーヒーミルを予算内でゲット。