30日間チャレンジブログ

40代主婦が綴る小話。

知らないことを知らないと言える勇気

今となっては理由が全くわからないのですが、昔は人前で「知らない」と言うのが恥ずかしいと思っていました。

自分の地元や学校、仕事、訪れた海外の国々などなど、全て知っていて当然といった傲慢な態度を貫き通していた気がします。

さすがに「えーそんなことも知らないの?」とまで口に出すことはありませんでしたが、心の中では他人に対してそう思っていたフシもあります。

 

海外生活が3年ほど過ぎたころ、もうその国のことなら何でも知っているような気がしていました。

そんな折、とあるひとつのネット記事を目にしたのです。

細かいことは全然覚えていませんが、あるバックパッカーと海外在住の日本人の会話だったと思います。

15年近くその国に滞在している方に対し、「もう何でもご存じでしょう」とバックパッカーが言うと、「そう思い込んでいるだけで、意外と何も知らないかもしれません。」と答えたという内容の記事でした。

そこでバックパッカーもハッとさせられたそうです。そうだよな、人間、知らないことの方が多いもんな、と。

そして、恥じることなく「知らない」と言えたほうが、得られる知識はより増えていくのではないだろうか、とも綴られていました。

 

衝撃でした。

そして、今までの知ったかぶりが本当に恥ずかしくなりました。

そうだよなー、何十年も育った日本の政治や経済の状況すらよく分かってない自分が、外国の事情を事細かく把握できるわけないよなー。

そもそも、なんとなくふんわり生きているだけでは情報なんて入ってきません。

自分から進んでコミュニケーションを取らないとわからないことはたくさんあります。

出身地によって土地の相続ができる人とできない人が居たり、人種によって住宅ローンの年率が変わってくるなどというのは長年住んでようやく分かるもの。

優遇されない人種の人にとってその政策は不満でしかないため、あまり口に出そうとしません。時間をかけて信頼関係をしっかり作って、そこでようやく話してくれる内容です。

聞けば聞くほど、人種差別が元で搾取されている人たちが多いことに気づかされました。

 

表向きは「大らかで何でも許容するゆったりした国」を売りにしており、そこに魅力を感じて訪れる観光客もたくさんいます。それが国の貴重な収入源であることを地元の人も良く分かっていますから、マイナスのイメージを持たれかねないネガティブな話はあまり外部に漏らさないのだと思います。

 

それを理解できるようになったのは、滞在5年を過ぎた頃でしょうか。

うわべだけを見て知った気でいるのがどれほど脆くて危ういことか。

深い事情がわかるとその土地での過ごし方やコミュニケーションの取り方も変わってきますし、より適切な防犯対策もできるようにもなりました。

高い家賃を払ってセキュリティー万全の高層マンションに住まなくたって、月2万円程度の家賃で1度も空き巣被害に遭わず10年生活することは可能です。

わたしはそれが、知らないことを知らないと認められたからこそ得られた安全なんじゃないかなぁと思っています。

 

もちろん、正直に「知らない」と言うと「そんなことも分からないの?」と返されることもありますし、悔しい思いをすることもあります。

そんなとき、わたしは一種のリトマス試験紙みたいなものと考えるようにしています。

知らないと素直に言える人は、そんな言い方をしません。

わたしは素直で正直な人と仲良くしていきたいと思っているので、「そんなことも…」と言う人とは少し距離を置いた方がストレスが軽減できそうだなって。

 

逆にこちらから質問して「そこは分からない」と言ってくれる人は大切にしたいので、「そうだよね。」と気持ちを共有していきたい。

 

それと、最近わかったことですが、こちらが十分な情報を提供できない時に「それしか知らないの?」と言ってくる人の中には、自分が見栄を張るためだけに情報を欲しがっているケースもあります。

情報を自分の知識や教養として取り入れたいのではなく、さも自分が物知りであるかのように振る舞うため、上っ面を取り繕う情報が欲しいだけ。

それか、あまり知られていない情報を自分が発信することで注目を浴びたいだけ。

そういう人は自分のことしか考えておらず、得た情報を脚色して横流しすることがありますので注意が必要です。

他人から突っ込まれて答えに詰まると「さあ、わたしは〇〇さんから聞いただけだから…」と急に責任転嫁し、こちらは言った覚えのない脚色された偽情報の発信源にされてしまいます。たまったもんじゃないですよね。

 

なので、信頼関係ができるまでは多少バカにされても「知りません」と言っておいたほうが身のためだったりする今日この頃。

 

「知らない」を上手に使えると、人間関係が整理できてかなり気持ちがラク

おすすめですよ。

 

感謝日記
メルカリが売れた。
ウェブの短期副業スタート。
久方ぶりの友人に会いに行けそうな予感。