30日間チャレンジブログ

40代主婦が綴る小話。

他人の失敗なんて誰も覚えてない

ビジネスで成功している人や歴史に名を連ねている方々の名言集には、「あなたの失敗なんて誰も覚えていないからどんどん失敗しなさい」というものがよくあります。

わたしは今までこの言葉を信じていませんでした。なんなら今でもまだちょっと懐疑的。

理由は、例に漏れず毒母です。

 

三度の飯より人の悪口が好きな毒母は、他人の失敗も事細かに覚えています。

同じ信者仲間の子供たちが落ちた高校や大学はほぼ全て把握しており、それを何十年も覚えてる。

そのわりに、彼らが進学先で取得した技術や資格は何も覚えていない。

それぐらい他人の失敗が大好物。

宗教内ではいろいろ戒律があり、それを破ると罰則があったりカウンセリングを受けたりするのですが、それもいちいち覚えてる。

「あの人は過去にこういうことがあったから幹部に上がれないんだよ。」

「あの人は◯年前に罰則を受けてから礼拝に来なくなった。」など、いつまでもいつまでも話題にします。

 

年を取ると世界がどんどん狭くなりますから、ふつうは気に留めないような小さな間違いも、この世の終わりかのように大騒ぎ。

大抵、ちょっとした連絡ミスなんか「送り忘れてるよー」「ごめんごめん」で済むじゃないですか。毒母にはそれが通用しません。

「あの人の連絡ミスはこれで4回目だ!どうにかしなきゃ。でも私が言ったってバレたら大変なことになる。どうしようどうしよう」と、1週間ぐらいボヤいてる。よっぽど暇なんでしょうね。

 

ただ、最近は少し様子が変わってきて。

昔は毒母の勢いに押され、気の弱い信者さんが毒母にあれこれ噂を横流ししていることが多くありましたが、最近そういう人たちはもう毒母に近づこうとしません。

周囲の人も、根掘り葉掘り聞かれてもお茶を濁すようにうやむやに答えている人が増えてきたようです。

みんな毒母の正体に気づき始めたのかもしれません。

 

毒親に限らず、学校でも会社でもこういう人っていますよね。

キツい性格や乱暴な物言いでその場を取り仕切ろうとする知りたがりの人というのは、どのコミュニティにもいるものです。

その中で最も権力を持っているのは自分だと勘違いし、家庭環境や仕事のシフトなどプライバシーに関わることを知りたがる。

その場で注目を浴びたいがために、仕入れた噂話をそこで披露する。

本当はみんな嫌だけど、面と向かって反論したところで改善なんかしないのは分かりきってますから、徐々に距離を置くようになります。顔を合わせることがあっても当たり障りのないお天気の話をしてみたり。

そのうち、本人が気づく頃には周囲に誰もいなくなります。

毒母が今ちょうどそんな状態。

最新の噂話に飢えているので、過去の他人の失敗談を記憶から引っ張り出して話してます。

人の悪口などネガティブな会話はアドレナリンを出すので一時的に高揚感を味わえてしまい、その中毒になった人間は止めることができないんだそうです。

「もうそういうのは止めなよ」とアドバイスをくれる人もいないので改善しません。

高め合える友人もいないので成長もできず、眉間の皺を増やしながら衰えていくのでしょう。

 

他人の失敗を未来永劫覚えていて言いふらす悪質な人間は一定数いるものですが、

彼らはずっとぬかるみで暮らしており這い上がることができません。

成長を目指したいのなら、彼らを尻目に上を向くしかない。

 

成長を目指して登り続ければ、いつしか周囲もそんな人ばかりになります。

高め合う仲間たちは自分のことで一生懸命ですから、それこそ他人の失敗なんていちいち記憶に残りません。

そんなことに脳のリソースを使う余裕なんかないのです。

比べるのは他人ではなく過去の自分ですから、他人の成長や成功を妬みませんし自分のことのように喜んでくれる。

だから、自分も他の人が成功した時は「よかったね!」と共に喜ぶ。

 

やっと最近、そのカラクリが理解できるようになってきました。

じっくり思い返してみると、わたしのしてきたことを一緒に喜んでくれる友人が過去に数人いたことに気づきます。

わたしはその貴重な友人たちを大切にしていただろうか。雑に扱ってしまったこともあるかもしれない。

これからはもっと友だちを大事にしよう。

 

失敗と成功についての考え方を調整したことで、周囲の人たちへの気持ちが少しずつ変化しています。

大事にするべき人と、近寄ってはいけない人の区別が少しずつついています。

こんな年になってやっと理解できたなんて恥ずかしいけれど、でも知らないまま墓まで行くよりはずっとマシ。

 

毒親育ちでも変われます。

時間はかかるけど、諦めなければ絶対に変化できます。

だから、やけくそにならないで。

あなたの失敗を気にもとめない人がいる場所は必ずありますよ。

 

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