唐突に思い出したので書いておきます。
すっごい昔、わたしが高校生だった頃。
たぶんどこの高校にもあったであろう漫画研究部、略して漫研。
わたしはそこに友達がたくさんいました。
入部はしていませんでしたが、けっこう部室にも出入りしていて、
みんな絵が上手くてすごいな~、いいな~と眺めているのが好きでした。
そんなある日、漫研のメンバーとその他数人がコミケに参加するという話をしています。
二次創作の小説を売ろうとかなんとか。
当時は幽遊白書がめっちゃくちゃ流行ってて、とくにBLの組み合わせでその界隈は沸き立ってました。
その頃はBLではなくて…ええと…やおい…だったかな?
高河ゆんとか尾崎南とか、たしかそのあたりが人気でした。懐かしー。
わたしはBLにはそれほど興味がなくて、らんまやCLAMP、ガラスの仮面やぼく地球を読んでました。あと動物のお医者さん。
描く絵も全然BL向きではなかったのですが、どういう流れだったか彼らの同人誌の表紙を描いてほしいと頼まれました。
なんでそんなことになったんだろう?たぶん、他の漫研のメンバーもコミケに参加するから、自分たちの作品作りに忙しくて表紙を描く余裕がなかったのかも。
幽遊白書は、とりあえず流行りについて行くために新刊が出れば読んでいた程度で、登場人物も主要人物4,5人しか知らないし、ストーリーも次の巻が出る頃にはその前の内容を忘れちゃうくらい興味が薄かった気がします。今となってはもうほとんど覚えてない。
それを一応伝えたものの、「それでもいいから、お願い。」と懇願され、1枚でいいなら…と引き受けました。
失礼ながら小説の内容にもあまり目を通さず、たしか居眠りする飛影のイラストをちょこっと描いたんだったよなー。
「予算がなくてモノクロ印刷だから、色もつけなくていいよ。」と言われ、本当に線画でささっと書いたラクガキみたいな表紙だったんですけど。
それから数日たったある日、コミケ参加メンバーがやや興奮気味にわたしのところへやってきて、百円玉数枚をわたしの手に握らせました。
「売れた!売れたよ、わたしたちの本!!」
どうやら初参加の彼女たちの本がかなり売れたようです。それはたしかにすごいぞっ。
「みんな大抵パラパラと立ち読みして中身を見ながら買っていくんだけど、中にはアンタの表紙だけ見て”かわいーっ”て買っていくお客さんもいたの!すごくない?!だからこれ、原稿料ね。ありがと!」
そうしてわたしの手元に渡されたのが5枚の100円玉。生まれて初めて原稿料というものをもらった瞬間でした。
その後彼女たちはもう一度コミケに参加したのですが残念ながらほとんど売れなかったそうで、それっきり参加はやめてしまいました。
時が経ち皆大学受験や就活で手一杯になり、活動を続けたメンバーはいなかったんじゃないかな。
今にして思えば貴重な体験でした。
わたし自身はコミケに行ったことはないけど、わたしの描いたものは参加してしかも売れたなんて。
もしあのまま書き続けていたらどうなっていたのかな~なんて、たまに考えます。
気付いたらわたしもコミケに参加していたかもしれない。コスプレして(笑)。
そういえば、当時はアニメや漫画好きはやや奇異の目で見られることが多く、スクールカースト上位の人たちからは敬遠されていたのですが(おかげでイジメに遭うこともなかった)、あるとき表紙用の絵を練習していたら上位クラスの男子がひとりこちらへ近づいてきました。
「それ、幽遊白書じゃん。なんで書いてんの?」
「ええと、これの本を作って売るイベントがあるみたいでね…。」
「ああ、コミケ?出るの?オレ行ったことあるよ。」
もうびっくりしたのなんのって。クラスでいちばんコミケに縁遠いと思われる男子が既に参加済みとは。
「なんか友達がアニメ好きでさ、誘われたから行ってみたんだ。けっこうおもしろいよな。」
と言って彼は去って行ったのですが、なんだかアニオタへの偏見が少し解かれた気がしてちょっと嬉しかったな。
今はどうなんですかね?アニメや漫画が好きだからってクラスで敬遠されることは、もうないんじゃないのかな。
ある程度社会で地位を得ている気がするんですけど、どうなんでしょう。
BLにはあまり興味のなかったわたしですが、「終わりのないラブソング」という小説は巷でけっこう話題で、読んで号泣した覚えがあります。
家でも社会でもうまく馴染めない主人公に共感したんだと思う。
でもあれ、最後まで読んだっけ?泣いたわりに途中で飽きちゃったような気が。
なんでこんなこと急に思い返したんだろうと考えてみたら、
とある漫画家さんが初めてコミケで作品を出した話をネットで見たから、でした。
あれだけ大きなイベントを長年続けていたら、何かしらの思い出を持つ人も多いのかもしれません。
わたしも若い頃に1度くらい行ってみても良かったかもなぁ。
感謝日記
スタバのモーニングが美味しかった。
楽しくお仕事ができた。
お花のいい写真が撮れた。